今まで良いところばかり描かれていた「アリョーシャ」でしたが、ひとつだけ弱点がありました。
それは「女性に関するある種の言葉やある種の会話」のことです。
中学のすべての友人たちは、別に悪気はないのですが、そのことで純真な彼が過剰に反応するのを面白がってからかうのです。
いわゆる猥談ですね。
作者は《あのこと》と書いていますが、学校では、まだほんの子供にひとしい少年たちが教室内で《あのこと》をひそひそと、時には大声で話し合っていると。
学校の生徒のことを「わが国のインテリ上流社会の、まだ年端もゆかぬ子供たち」と作者は表現していますが《あのこと》に関する知識は相当なもので、兵士たちでも知らないことも多いそうです。
しかし、それは年齢的に言ってもまだ「道義的退廃」のようなものではなく、「道徳蔑視」と言ってもただ外面的なものであって、そういうことは子供たちのあいだで「何かデリケートで微妙な、男っぽい、真似しがいのあるものとみなされることが珍しくない」と。
表現しずらいのですが、成長段階における世界共通のある種の心の動きですね。
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