誰か友達が《あのこと》を《アリョーシカ・カラマーゾフ》に話しはじめると、彼はあわてて指で耳をふさぎました。
それを見て、みんな集まってきて、無理やり耳から指を離して、両方の耳にさらに猥雑なことを大声で言ったりしましたが、そんなとき彼は身をふり放して、床にちぢこまり、突っ伏して、両手で顔を覆うのでした。
それでも、彼は怒りもせずに黙って堪えるのです。
そうしているうちに、みんな飽きて彼にかまわなくなり、《女の子》などとからかうこともやめて、かえってある意味で同情さえするようになりました。
ここで、はじめて《アリョーシカ・カラマーゾフ》という名称が使われていますが、アリョーシカというのは、さらに卑称的な感じと括弧書きで書かれています。
カラマーゾフのアリョーシカ坊や、みたいな感じでしょうか。
それでも、彼は勉強では常にトップクラスの優等生でした。
しかし、一度も首席になったことはなかったそうです。
ということは、彼は勉強ができる子ではありましたが、目立つことが苦手なので、トップを目指すこともなく、適当にやっていたのでしょうか、しかし、彼の性格から、成績や順位などまったく関心がなく、普通にやっていて、自然とトップクラスにいたのかもしれません。
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