「フョードル」は言います。
ミウーソフさん、あんなことのあったあとで自分は昼食には行けない、つい夢中になってしまって失礼しました、そして、それだけでなく感動もした、それに恥ずかしいし、人によっては、マケドニア王アレクサンドルみたいな心臓の持主もいるし、子犬のフィデリカみたいな心臓の者もいる、自分は子犬の方ですっかり臆しちまった、それにあんな非常識な振舞いのあとで、まだ食事をよばれたり、修道院のソースに舌鼓を打ったりできますかいな?恥かしくて、とても行けないので、失礼します。
ウィキペディアでは、「アレクサンドロス3世(紀元前356年7月20日 - 紀元前323年6月10日、在位紀元前336年~紀元前323年)、通称アレクサンドロス大王は、アルゲアス朝マケドニア王国のバシレウスである。また、コリントス同盟(ヘラス同盟)の盟主、エジプトのファラオも兼ねた。ヘーラクレースとアキレウスを祖に持つとされ、ギリシアにおける最高の家系的栄誉と共に生まれた。ギリシア語ではアレクサンドロス大王であるが、英語風に読んでアレクサンダー大王またはアレキサンダー大王とすることも多い。」と説明があります。
「子犬のフィデリカ」って、何のことでしょうね。
嫌味を言われた「ミウーソフ」は心の中で『いまいましい野郎だ、が、まさか欺しやせんだろう!』と、遠ざかってゆく道化者を腑におちぬ眼差しで見送りながら、考えこんで立ちどまりました。
「フョードル」はふりかえり、「ミウーソフ」が見守っているのに気づくと、片手で投げキスを送りました。
「フョードル」は憎ったらしいだけでなく、なかなかお茶目なところがありますね。
「ミウーソフ」は「イワン」に唐突に「あなたは院長さんのところへ行くでしょう?」とたずねました。
「イワン」は、自分は昨日から院長さんに招かれているので当然行く、と答えます。
「ミウーソフ」は修道僧がきいていることにさえ注意も払わず、自分もこのいまいましい食事にでなけりゃなるまいと感じていると、相変わらず苦々しげな苛立ちをこめて話を続けました。
そして、われわれがここでしたことを詫びて、あれがわれわれの仕業じゃないことを説明くらいしておかないと、「ミウーソフ」は言いました。
「イワン」は「そう、あれが僕らの仕業じゃないってことは、説明しとく必要がありますね。おまけに父もこないし」と。
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