2017年2月27日月曜日

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「ちょっと待ってよ、兄さん」と、極度の不安になられて、また「アリョーシャ」がさえぎりました。

「それにしてもやっぱり、一つのことをいまだにはっきりさせてくれませんよ。兄さんは婚約者なんでしょう、とにかく婚約者なんですね?じゃ、いいなずけのあの人が望まないのに、どうして破談にしたいなんて言えるんです?」

そうでしたね、まだ肝心のこと、つまり少し前に「待ってください、兄さん。この場合、一つ大事な言葉がひっかかるんですよ。はっきり言ってください、兄さんは婚約者なんでしょ、今だって婚約者でしょう?」と質問しているのですが、「ドミートリイ」の話はずれていっています。

ここで「アリョーシャ」は、「・・・いいなずけのあの人が望まないのに、どうして破談にしたいなんて言えるんです?」とへんな言い回しをしています。

「ドミートリイ」はいろいろと事情があって一方的に結婚の約束をなかったことにしたいというわけであって、これはなにも「カテリーナ」と相談することではないのではと思われますが、「アリョーシャ」としては、両者の合意の上の婚約だから、破談にする場合も両者の合意の上でということです。

ということは、「カテリーナ」が破談に合意しているかどうかということですからこれから彼女の家へ行こうとしている「アリョーシャ」は第一にそのことを聞いておきたいわけです。

「ドミートリイ」は「俺は祝福を受けた正式の婚約者さ。万事はモスクワで、俺の到着後、聖像を前にして晴れがましく、最高の形でとり行われたんだ。将軍夫人が祝福してくれたうえ、本当の話、カーチャにまでお祝いを言っていたよ。お前はいい人を選んだ、この人ならわたしには何もかも見透しだ、と言ってね。ところが、お前には信じられないだろうが、夫人はイワンを毛ぎらいして、お祝いもしてやらないんだよ。モスクワで俺はカーチャといろいろと話し合って、俺という人間のすべてをいさぎよく、ありのまま、誠実に説明したんだ。彼女は全部きいてくれたよ。
愛らしい困惑の色をうかべ、
やさしい言葉をささやき・・・
いや、言葉は自信たっぷりなものだったがね。彼女はそのとき、品行を改めるというたいへんな約束をむりやり俺にさせたんだ。俺は約束した。それなのに・・・」

「ドミートリイ」は馬鹿ですね。


としか言いようがない。


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