2017年8月14日月曜日

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「それは大いにありうることだぞ!」

「アリョーシャ」はすっかり興奮して叫びました。

「ありがとう、スメルジャコフ、重大な知らせだよ、今すぐそこへ行ってみよう」

「裏切らないでくださいまし」

裏切る人間に限って、このようなことを言うものですね。

「スメルジャコフ」が追いかけるように言いました。

「ああ、しないとも。飲屋へは偶然寄ったようなふりをするから、安心していていいよ」

「まあ、どちらへ? 今、木戸を開けますのに」

「マリヤ」が叫びかけました。

「アリョーシャ」は飲屋へは偶然寄ったようなふりをして行くと言っているのに「マリヤ」は今の会話をちゃんと聞いてなかったのでしょうか。

「いえ、こっちのほうが近いですから、また生垣を乗りこえます」

この知らせはひどく「アリョーシャ」を動揺させました。

彼は飲屋に急ぎました。

僧服で飲屋に入るのは、はしたない真似でしたが、階段のところで問い合せて、よびだすこともできるはずでした。

だが、飲屋に近づいたとたん、ふいに一つの窓が開いて、当の「イワン」が窓から彼に声をかけました。

「アリョーシャ、今すぐここへ入ってこられないか、どうだい? すごく恩に着るがね」

「いいですとも、ただこんな服なので、どうしたものかわからないんですが」

「ちょうど僕は個室にいるんだ、表階段をあがってこいよ、迎えにおりて行くから・・・・」

一分後に「アリョーシャ」は兄とならんで坐っていました。

「イワン」は一人で食事をしているところでした。


今朝八時ごろ「スメルジャコフ」が伝言を伝えに行ったとき留守であった「ドミートリイ」はまだ来てないのですが、大家さんは伝えることができたのでしょうか。


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