2017年3月5日日曜日

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「でも、どこで手に入れるんですか?そうだ、僕のところに二千ルーブルあるし、イワンだって千ルーブル出すでしょうから、それで三千になる。これを持っていって、返しちゃいなさいよ」

「アリョーシャ」の二千ルーブルとは「ヴォロホフ将軍の未亡人」「イワン」と「アリョーシャ」へ残した二千ルーブルの贈与のことです。

「いつ入るんだよ、お前のその三千ルーブルとやらは?おまけに、お前はまだ未成年じゃないか。とにかく、金を持ってゆくにせよ、手ぶらにせよ、今日のうちにお前の口から彼女にお別れの挨拶を伝えてもらうことが、絶対に必要なんだよ。なぜって、もうこれ以上のばすことはできないからな、事態はまさにぎりぎりのところにさしかかているんだ。明日ではもう遅いんだよ、遅すぎるのさ。お前に親父のところへ行ってもらいたいんだがね」

「お父さんのところへ?」

「そう、彼女の前に親父のところへな。親父に三千ルーブル頼んでみてくれ」

「だって、くれっこありませんよ、兄さん」

「きまってるさ。くれないのは承知のうえだ。なあ、アリョーシャ、絶望がどんなものか、お前にはわかるかい?」

「わかります」

「いいかい、法的には親父は俺に何の負い目もないんだ。俺は全部引き出しちまったからな、それは俺にもわかっている。でも、道義的には親父は俺に借りがあるはずだよ、そうじゃないかね?だって、親父はお袋の二万八千ルーブルから出発して、十万もの金を稼いだんだぜ。だもの、その二万八千のうち、たった三千ぽっち俺にくれたっていいじゃないか、たった三千だぜ、それで俺の魂を地獄から救い出し、多くの罪を帳消しにしたっていいだろうが!お前に誓ってもいいが、俺はその三千で打ちどめにするから、親父は今後もう二度と俺の噂を耳にしないですむんだ。最後にもう一度、父親になるチャンスを与えてやろうというわけさ。神みずから、このチャンスをお授けになるのだと、親父に言ってくれ」

かなり都合のいい「ドミートリイ」の考えですね。

そして、「たった三千」と何度も繰り返していますが、彼はお金のことがわかっていませんね。

くれないとわかっていながら「アリョーシャ」にとりにいかせるのですが、これは何の意味があるのでしょうか。


どうせ結果はわかっているのなら、本当は自分で行って父親に説明すべきことですが、「アリョーシャ」が聖職者であることを利用して「神みずから、このチャンスをお授けになるのだ」なんてことまで言っています。


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