「結局、手にキスをしなかったんだな!結局、キスせずに、そのままずらかったってわけか!」その喜びようがこれほど自然でなかったとしたら、やはり厚顔な喜びと言いうるような、なにか病的な喜びにかられて、彼は叫びました。「それじゃ、あの女は虎だって叫んだんだな?まさに虎だもの!それじゃ、あの女を断頭台へのせなけりゃいけないというのか?そう、そう、必要だとも、のせなけりゃいけないよ。俺も同じ意見だ、そうするべきだ、とうにそうしなけりゃいけなかったのさ!そりゃね、断頭台へ送るのは結構だけど、まずその前に病気を癒す必要なあるな。俺にはあの不遜な女王の気持がわかるよ、彼女のすべてがそこに現れてるじゃないか、まさにその手の一件に、あの女の面目が遺憾なく現れているんだ、あの魔性の女のさ!あれは、この世で想像しうるかぎりの、すべての魔性の女の中の女王だよ!それなりに喜びがあるんだ!それじゃ、彼女は家へ帰ったんだな?それなら俺も今すぐ・・・ああ・・・彼女のところへ駆けつけよう!アリョーシカ、俺を責めないでくれ。俺だって賛成なんだよ、あの女が絞め殺しても飽き足らんやつだってことには・・・」
ここでは、「ドミートリイ」は「カテリーナ」が怒りまかせに言った「グルーシェニカ」は虎であり、魔性の女だということに同意していますね、そんなことはすでにわかっていることで、それを「手の一件」をきっかけにあの「カテリーナ」に言わせたということが、「グルーシェニカ」の面目だと。

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