2016年4月16日土曜日

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「アデライーダ」の親戚の方はどうだったのでしょう。

彼女の実家では父親のミウーソフ氏はすでに死亡しており、未亡人になった母親はモスクワに引っ越して、身体をこわしてしまい、すぐに「ドミートリイ」を引き取ってくれるような親戚はいませんでした。

ですから、「ドミートリイ」はほとんどまる一年、この家の忠僕「グリゴーリイ」の召使小屋で暮らしました。

そして、ここでもうひとりの登場人物があらわれます。

この当時はまだ若かった「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」です。


彼は亡くなった「アデライーダ」の従兄にあたり、ミウーソフ家の人々の間では別格で、教養が深く、都会的、外国的、終生ヨーロッパ人で通し、「プルードン」や「バクーニン」とも個人的に親しく、晩年には1950年代のリベラリストとなった人物であると紹介されています。


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