2016年4月19日火曜日

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「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」は生涯放浪生活を続け、その多くはパリに住んでいるという設定の人物ですが、たまたま「ドミートリイ」が召使小屋で育てられているときにこの町に帰ってきました。

この町には小説の重要な舞台のひとつとなる有名な修道院があり、若き「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」はその修道院に接する広い領地を相続したときに、修道院の《僧権強化論者》を相手に、河の漁業権とか森林の伐採権とかにかんする訴訟を起しました。

ここでいう《僧権強化論者》とは、訳注に書かれていますが、宗教原理にもとづく国家支配を望む人ということです。
この小説は宗教が大きなテーマになっていますので、後でこのあたりの考え方も物語に関係してきます。

「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」は彼の思想から、この宗教原理にもとづく古い考え方に対して、文化的な市民として修道院に対抗する義務があると考えたのです。


そして、「アデライーダ」に関する一部始終を聞き、「フョードル」に対し憤慨したのです。


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