「ドミートリイ」は、もう貰うべきお金がないと聞いて、驚き、疑い、かっとなり、分別をなくします。
こうなる前に、「フョードル」は知らせてあげるべきですが、彼は時が来ればこんな状態になることが分かっていたのでしょう。
「ドミートリイ」が怒るのも無理はありません。
そして、作者は、「こうした事情がのちに悲劇を呼んだのであり、その悲劇の描出がまた、わたしの第一の導入部的な小説の材料、より正しく言うなら、小説の外面となってもいるのである。」と言っています。
この悲劇は元はと言えば、「フョードル」の底意地の悪さが原因なのです。
ここでは、それは最初は小さな悪意だったのかもしれませんが、それがどんどん大きくなっていき、最後には多くの人を巻き込んで、とんでもないことが起こってしまうのです。
そして、「その小説に移る前に」「フョードル」の腹違いの二人の息子について語り、その出生の由来を説明すると書かれています。
二人の名前はすでに冒頭の「フョードル」の章で、「イワンとアレクセイが二度目の妻の子である。」と紹介されています。
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