「イワン」はさっそく、一回20カペイカで家庭教師をはじめました。
ここまでは、ふつうなのですが、ここから彼の独創的な行動がはじまります。
その前に亀山さんによれば、1ルーブル=100コペイカ(カペイカ)=1000円ですので、家庭教師料は1回2百円ということになりますね。
さて「イワン」は、巷の出来事を《目撃者》という署名で10行記事にして、いろんな新聞社の編集局をこまめに回って売り込みました。
この記事はおもしろくて、また、興味深く書かれていましたので、すぐに採用されるようになりました。
「この一事たけでも」彼は、都会のおおくの貧乏学生たちとは知性でも実行力でも違っていました。
普通の学生でしたら、フランス語の翻訳とか清書とかという定型の仕事を得るために出版関係を朝から晩まで回って消耗しています。
誰もが思いつかない新しいことを考える知性と、それを実現するために行動することは、なかなか両立しないことで、いつの時代でも難しいことですが、これをきっかけに「イワン」は自分の人生を切り開いていきます。
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