2016年5月16日月曜日

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新聞に掲載された「イワン」の「教会裁判をめぐる問題」とは何でしょうか?

ここで作者は具体的な内容について一切触れずに、「肝心なのはその論調と、目をみはるばかりの結論の意外性だった」と、その外形だけをなぞるように書いています。

彼は一応、「教会裁判をめぐる問題」に関するさまざまな意見を分析し、個人的見解も表明したとされています。

しかし、「教会派」の大多数の賛同を得たと同時に「市民権派」や「無神論者」たちからも拍手を送られたそうです。

ということは、どっちつかずの論文だったということでしょうか。

作者は、「結局、ごく一部の明敏な人たちが、この論文全体を不遜な悪ふざけと嘲笑にすぎぬと結論を下したのだった」と書いています。

「不遜な悪ふざけと嘲笑」とは、わかりにくい表現です。

これは、上から目線で人を小馬鹿にしている、ということでしょうか、しかし、それでしたら、対立する両派からの賛同は得られないと思うのですが、そうではなくて、巧妙な意図によってそのようにさせているのでしょうか。

作者は、今まで「イワン」の能力を高く評価して書いているように思っていましたが、ここでは、才気はあるがイマイチだみたいな感じで、急に突き放しているようです。

でも、実際そうでしょうか?

ずっと先の方なのですが、「大尋問官」という章があって、そこで「イワン」の考えがながながと表明されますので、内容についてはまだお預けです。

しかし、ここでは、この程度の人間の意見として、読み流してもいいものでしょうか。


さらにずっとずっと先の方で、「イワンは謎」という言葉がよく出てくるのですが、ここでもすでに「イワン」は十分「謎」です。


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