四 三男アリョーシャ
作者が「序文的な物語」と言うカラマーゾフ家のメンバー紹介ですが、「フョードル」「ドミートリイ」「イワン」と進んで、ついに最後の「アレクセイ」愛称「アリョーシャ」の番がやってきました。
彼はこのとき、20歳になるかならず、兄の「イワン」は数えで24歳、長兄の「ドミートリイ」は数えで28歳でした。
ここでも年齢計算は数えで、わかりにくいですが、だいたいでいいのでしょう。
ここで「わたし」は忌憚なく意見を述べると、「アリョーシャ」について、少なくとも狂信者でもなく、神秘主義者でもなかったし、ただ「ごく初歩の人道主義者」と言っています。
狂信者>神秘主義者>「アリョーシャ」=「初歩の人道主義者」です。
ですから、彼が「修行の道にひたすらすすんだ」としても、そのとき、偶然か必然か、彼が進むべき道として、それだけが最善の道としてあったというにすぎないのです。
作者は「言うなれば」と前置きして、彼が「俗世の憎しみの闇」をのがれ「愛の光に突きすすもうとあがく彼の究極の理想」を示してくれたのが修行僧の道だったと言っています。
仮に宗教の世界をあちら側の世界と言うとすると少なくとも今のところ、彼はこちら側の世界の人ですね。
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