2016年5月8日日曜日

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そして「ヴォロホフ将軍の未亡人」亡き後のことです。

作中に彼女の財産を引き継ぐ親族の存在のことは書かれていないので、たぶんいなかったのだと思いますが、そうすると「イワン」と「アレクセイ」への2千ルーブルの贈与以外の彼女の財産はどうなるのでしょう、それは私も気になっていました。
当時の法律関係がどうなっているのかはわかりませんが、ここで筆頭相続人という人が登場します。
同じ県に住む貴族会長をしている篤実な人「エフィム・ペトローウィチ・ポレノフ」です。
彼がどういう関係の人であるか、また何を相続したのか、あるいはしなかったのかは書かれていません。

しかし、彼は二人の子供たちの養育費のことについて「フョードル」と手紙で相談しています。
子供たちに彼女が残した2千ルーブルは「教育費」でしたので、「養育費」については、財産のある実の父親が支払うのは当然だと思いますが、以前に彼女が彼のもとから子供たちを引き取った際に、養育に関する正式な同意書を交わしており、その内容が関係するのでしょうが、詳細はわかりません。

ともかく、この手紙で相談するうちに「エフィム・ペトローウィチ・ポレノフ」は「たちどころに見ぬいた」そうです。
何をでしょうか?
「フョードル」の人間性です。
「フョードル」は「養育費」を露骨に断りはしないのですが、肝心なところで、「むやみに感傷にふけったりさえして、引きのばしにかかるだけだった」そうです。

ですから、そんな人間のことは、さっさと見限ったのでしょう。


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