2016年5月9日月曜日

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「エフィム・ペトローウィチ・ポレノフ」は、「まれに見るほど高潔で慈悲深い」人であり、二人の青年が「養育」と「教育」に対して、一生恩義を感じてしかるべき人とされています。

特に弟の「アレクセイ」はかわいがられ、永い間彼の家庭で育てられました。

兄の「イワン」は、年長なだけあって、10歳ころになると、自分たちが「他人の家庭」で情にすがって生きていることや実の父親が恥ずかしいほどのひどい人物であることを意識するようになって、内気ということではありませんが、だんだんと、「なにかこう気むずかしい、自分の殻に閉じこもったような少年」になりました。
そして、「ほとんど幼年時代」から、これも作者は人から聞いた話と書いていますが、勉強が人並みはずれてできるようになり、13歳ごろには「エフィム・ペトローウィチ・ポレノフ」の家を出て、モスクワのある中学校の全寮制学校に入りました。

しかし、作者は二人の少年時代と青年時代はまた後で、と書いています。

二人の子供にそれぞれ与えられた遺言金の千ルーブルは、彼らが成人するまで、そのまま貯金されましたので、利子がついて、それぞれ2千ルーブルに増えていました。
また、子供たちの教育にかかる費用は、それぞれ千ルーブルを上まわっていましたが、遺言金には手をつけずに全面的に彼が面倒をみました。

つまり、彼が良心的に子供たちを育てたということです。


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