「フョードル」がオデッサからこの町に帰ってきたのは、「アリョーシャ」の帰郷の3年ほど前でした。
「かつての知人たちは、彼がまだそんなに老人でもないのに、ひどく老けこんでしまったのに気づいた。」そうです。
ここで、「フョードル」の年齢が気になりましたが、それはわかりませんでした。
では、彼は何年くらい家を離れていたのでしょう。
「アリョーシャ」が4歳のときに、母がなくなり、翻訳の関係ではっきりとわかりませんが、それから3~4年後に「フョードル」がロシア南部に行ったとします。
そして、「アリョーシャ」が20歳の時にこの町にやってきたと、どこかで書かれていましたので、その3年前に「フョードル」が帰ったのですから、彼がロシア南部にいたのは9年間くらいではないでしょうか。
老け方にもひとそれぞれの個性がありますが、彼の場合は最悪です。
彼の性格のひどさは、これまで何度も繰り返しかかれていましたので、わかっているつもりですが、9年の年月を経て上品になるどころか、反対に「なにやらいっそう厚かましくなった。」そうです。
「たとえば、かつてのこの道化の内に、他人に道化の装いをさせようという不逞な欲求があらわれたのである。」とのことです。
ロシア南部でユダヤ人たちの中で覚えたのは、お金を貯める才覚だけではなかったのですね。
道化も自分でやっているうちはまだかわいいのですが、人に強要するとなると話は別です。
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