「アリョーシャ」は「グリゴーリイ」に母の墓の場所を教えてもらったころ、父「フョードル」に、大事なお願いをしました。
それは、修道院に入りたいということでした。
ずいぶんと思い切った人生の選択だと思いますが、彼のことですから考えに考え抜いた結果、もう自分には、その道しかないと思いつめたのでしょう。
そして、その修道院にはたぶん何度も行き来しており、僧たちも彼を見習い僧として受け入れてくれるという了解まで得ていました。
「アリョーシャ」は「これは自分のたっての望みであり、父親として晴れの許しをおねがいしたい」と説明しました。
ここでは書かれていませんが、修道院の僧たちの意見として、父親の許可を得たほうがいいということがあったのかもしれません。
結局、その願いは許されるのですが、もし「フョードル」に反対されたらどうするつもりだったのでしょう。
「フョードル」は修道院の有名な「ゾシマ長老」がこの《おとなしい坊や》に影響を与えたことをすでに知っていました。
彼は「アリョーシャ」のことを《おとなしい坊や》と呼んでいたようですので、その《おとなしい坊や》の思い切った決断であって、また、そんなことがあるかもしれないことをうすうす気づいていたふうでもありますから即座に断ることはできなかったのでしょう。
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