酔払った「フョードル」のお喋りは勢いづいてきて、ますます饒舌になります。
活字では本当の調子はわかりませんが、実際にはろれつもおかしくなってきているのではないでしょうか。
話は「さる修道院の話」に移ります。
その修道院は三十人くらいからなる《修道院妻》とまわりから呼ばれている小さな村を郊外に持っていて、自分もそこに行ったことがあり、「一種、毛色が変わっているという意味」でおもしろかったそうです。
そして、「ただ、胸くそのわるいことに、そこはおそろしいロシア趣味」でフランス女なんぞ一人もいない、いればいい金儲けができるのに、と言います。
ろくでもない話しですが、そこから、「アリョーシャ」の入りたいと言ったこの町の修道院の話しになります。
「ここの修道院」には坊主ばかり二百人ほどいるだけで、そのようなことなど何もない、斎戒精進の徒だから清潔なものであることは自分も認めていると。
そして、ここまで喋って、急に思い出したように「じゃ、お前は坊主の仲間入りするというんだな?」とあらためて「アリョーシャ」に言います。
0 件のコメント:
コメントを投稿