2016年6月24日金曜日

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酔払った「フョードル」のお喋りは勢いづいてきて、ますます饒舌になります。

活字では本当の調子はわかりませんが、実際にはろれつもおかしくなってきているのではないでしょうか。

話は「さる修道院の話」に移ります。

その修道院は三十人くらいからなる《修道院妻》とまわりから呼ばれている小さな村を郊外に持っていて、自分もそこに行ったことがあり、「一種、毛色が変わっているという意味」でおもしろかったそうです。

そして、「ただ、胸くそのわるいことに、そこはおそろしいロシア趣味」でフランス女なんぞ一人もいない、いればいい金儲けができるのに、と言います。

ろくでもない話しですが、そこから、「アリョーシャ」の入りたいと言ったこの町の修道院の話しになります。

「ここの修道院」には坊主ばかり二百人ほどいるだけで、そのようなことなど何もない、斎戒精進の徒だから清潔なものであることは自分も認めていると。

そして、ここまで喋って、急に思い出したように「じゃ、お前は坊主の仲間入りするというんだな?」とあらためて「アリョーシャ」に言います。


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