いろいろと歴史のある長老制度ですが、この町の修道院に、いつ、だれによって定着したのかは「わたし」には確言できないそうですが、もうすでに三代目の「ゾシマ長老」の時代になっています。
しかし、「ゾシマ長老」ももはや老衰と病気で明日をも知れぬ身であり、後任にだれを選ぶべきかさえもまだわからない状態であるとのことです。
このことは、何もとりたてて有名なもののない「わが修道院」にとっては、重大な問題であります。
ここの修道院には、「聖者の遺体もなければ、奇蹟によってあらわれた霊験あらたかな聖像もなく、歴史に関連のある名誉な伝説さえなかったし、祖国に対する歴史的な偉業や勲功もべつになかった。」からです。
この「修道院が栄え、ロシア全土に有名になったのは、まさに長老のおかげであり、長老に会い、長老の話をきくために、信者たちがロシア全土から、何千キロの道もいとわず、群れつどってこの町にやってくる」のだそうです。
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