2016年7月8日金曜日

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ここからは、この修道院の長老である「ゾシマ長老」の話になります。

「ゾシマ長老」という名前は、前に数回でてきていましたので、気にはなっていました。

しかし、その前に「わたし」は、わが国の修道院における《長老》の説明をしなければならないが、「残念なことに」あまり詳しくないので、正確ではないかもしれないと断っています。

作者は「この方面にくわしい専門家の確言によると」と前置きしてはじめます。

長老とか長老制度とかが、ロシアの修道院にあらわれたのは、ごく最近のことでまだ百年にもなっていないそうです。

訳注にも長老制度の説明が書かれていますが、それは教会政治の一つの形態としてカルヴァン派の教会で用いている長老制度のことではなく、魂の指導者たる長老の呼称と書かれています。

例によって「Wikipedia」で調べてみましたら大きくふたつに説明に分かれており、「長老 (キリスト教)」の説明では「長老制とは、キリスト教の教会における、三種類に大別できる教会政治制度の一。その他の二つとは監督制と会衆制。」とあり、おもにカルヴァン派のことが書かれていましたが、長老 (正教会)の説明に「正教会における長老(ロシア語: стáрец, 英語: Starets、スターレツ)は、正教会において、精神的に優れていると認められ、精神的指導を行う年長者。神品(聖職者)でもある者もいれば、神品ではない者もいる。歴史的にはロシア正教会において発展した制度であり同教会で言及される事が多いが、セルビア正教会、ギリシャ正教会、ルーマニア正教会など、他の地域の正教会にも長老と呼ばれる人々の系譜が現代まで連なっており、ギリシャ語では"Γέρων"(ゲロン)と表記される。」とあります。


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