「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」は、昨夜から修道院では修道院の慣習に従おうと決心していましたが、「しかし今、司祭修道士たちのこうした最敬礼や接吻を見るなり、彼は一瞬のうちに決心を変え」ました。
そして、「重々しいまじめな様子で市井風のかなり深いおじぎをすると、椅子の方に引き」さがりました。
つまり彼は思っていることと反対の行動をとってしまったわけですね、こういうことはよくあるといえばよくあることなのですが、ここでは、初志を貫徹してほしかったですね。
少し前、彼がこの僧庵に入ってくるとき、「いくらか苛立った気持ち」になっており、『俺には今からわかってるんだ。いらいらして、きっと議論をはじめるにきまってる・・・そのうち、かっとなって、自分自身も思想も卑しめることになるんだ』との独白がありましたが、これが伏線になっており、何かがはじまりそうな予感がします。
そして、「フョードル」はどうしたでしょう。
彼は、「からかい面で猿のように」、そっくり「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」の真似をしました。
本来なら「フョードル」こそ、司祭修道士たちの真似をしそうなのですが、ここでは、あえて「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」の真似をして、彼を煽っているようです。
もう、この辺で、彼らの内心は穏やかなものではなく、波立ってきているのではないでしょうか。
さて、「イワン」はどうしたでしょう。
彼は「ひどくもったいぶって丁寧におじぎをしたが、やはり両手をズボンの縫目につけたまま」でした。
「ピョートル・フォミーチ・カルガーノフ」は、「すっかり上がってしまい、全然おじぎも」しませんでした。
彼は、前に紹介されたときに「じっと永いこと見つめていながら、相手の姿なぞまるきり目に入っていないことがときおりある」と書かれていましたが、今回もそのとおりのようです。
彼は、前に紹介されたときに「じっと永いこと見つめていながら、相手の姿なぞまるきり目に入っていないことがときおりある」と書かれていましたが、今回もそのとおりのようです。
「ゾシマ長老」は「祝福を与えるために上げかけていた手をおろすと、もう一度おじぎをして、みなに椅子を」すすめました。
「アリョーシャ」は恥ずかしくなって赤くなりました。
彼の「不吉な予感が的中しつつ」ありました。
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