2016年8月22日月曜日

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「いつだってわたしはこの調子で、損ばかりしているんですよ!」と言う「フョードル」に対して、「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」は「現に今もやっているじゃありませんか」と嫌悪をこめてつぶやきました。

前から、少し気になっていたのですが、「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」は、相手に正面から発言するのではなく、いつもつぶやいていますね。

長老は、そんな二人を無言のまま見くらべていました。

そして、再び「フョードル」が話はじめます。

彼の場合は「いいですか、ミウーソフさん」と相手に呼びかけて話ます。

自分は、わかって、こんな話をしているのであって、口をひらいたときから、その予感はしていたし、「あんたが真っ先にそいつを指摘するだろうってことも、ちゃんと予感していた」と言います。


そして、自分は「自分の洒落がうまく通じないことがわかると、両の頬っぺたが下顎に張りついちまって、まるで痙攣でも起こったみたいになりましてね、長老さま。」と、今度は長老に呼びかけて話しはじめます。


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