「フョードル」の話は続きます。
彼は、自分は「若いころ、貴族のところで居候暮らしをしていて、只飯にありついていた時分からこうで」、「生れつき、根っからの道化」で、「言うなれば神がかり行者と同じようなもの」で、「ひょっとすると、悪魔でも体内に住みついているのかもしれませんな、と言ったところで、ちっぽけなやつでしょうがね。」と、とどまるところを知りません。
そして、悪魔でも「もっと偉いやつは別の棲家を選ぶでしょうからね。ただ、あんたじゃありませんよ。ミウーソフさん。あんただって、たいした棲家じゃありませんからな。」と、言葉の勢いで喋りながら、「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」を挑発するようなことを言います。
そして、「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」と違って、自分は信仰は持っていると、「神さまを信じてます。」が、最近になって疑ったこともありましたが、「その代り今はおとなしく偉大なお言葉を待っているしだいでして。」
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