「申しわけございません・・・」と突然のように、今度は「ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフ」が長老に話しはじめました。
しかし、この「申しわけございません・・・」は長老に対する「フョードル」の無礼を謝っているのではないのです。
彼は、自分が「フョードル」の「けしからぬ悪ふざけ」の仲間ではないと言い、「フョードル」が「こんな立派なお方をお訪ねする際は自分の義務をわきまえる気になるだろう、などと信じた」のが自分の誤りで、「この人といっしょに来たことを、お詫びせねばならぬ羽目になろうなどとは、考えてもみませんでしたので・・・」と言います。
彼は、しまいまで言い終らぬうちに、取り乱し、部屋を出て行こうとしかけました。
いつものことですが、彼は余裕がないと言うか、この状況をどうするでもなく、自分だけの立場を守るためだけに動いているように見えますね。
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