「ゾシマ長老」が、「ホフラコワ夫人」に話したのは、実際に身近な人を愛せよ、ということでしたが、彼女は、そうすることはたいへんなことだと言います。
そして、しかし自分は、実は、人類愛がどても強く、とりおり「リーズ」とも別れて看護婦になろうかと空想することがありますと言います、そして、時々、目を閉じて考え空想するのですが、そんな時には抑えきれないほどの力を身内に感じ、どんな傷口も、どんな膿みただれた潰瘍も平気で自分の手で繃帯をかえてあげ、傷口を洗い、苦しんでいる人々の看護婦になってあげられたらと思います、そういう傷口に接吻してもいいとさえ思っているのです、と。
ここまで、聞くと、彼女はたいへん愛に満ち溢れた人で、むしろそのためにかえって何かをしたくて煩悶しているように聞こえます。
「ゾシマ長老」は、あなたがそこまで空想するということは、「それだけで、もう余りあるくらい、立派なことです」、これから先あなたにもしも何かそういう機会があれば、善事を行うでしょうから、と言います。
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