とうとう「ドミートリイ」が憤りにかられて、「フョードル」と同じように席から跳ね起きるなり、叫びました。
「僕がここへくる途中、予想していたとおりのばかばかしい喜劇だ!」と。
そして、「申しわけありません、尊師」と長老に声をかけました。
「ドミートリイ」は続けます。自分は教養がないので、あなたを何とおよびすればいいのかも知らないのですが、あなたは欺されたのです。われわれがここに集まることを許すなんて、あまりに善良すぎます。親父に必要なのはスキャンダルだけです。何のためにかというと、そこが親父の計算です。いつだって計算づくなんですから。でも、今になると何のためかがわかるような気がしますけど・・・、と。
「みんなして、わたしを非難するんですよ。どいつもこいつも!」と「フョードル」は今度は自分の番とばかり、わめきたてました。
そして、続けます。「現にミウーソフさんだって、非難してるでしょうに。非難しましたとも、ミウーソフさん、したじゃありませんか!」と。
「ミウーソフ」は今は別に「フョードル」の話をさえぎろうなどと考えてもいなかったのですが、「フョードル」は突然「ミウーソフ」の方に向き直りました。
計算づくです。
「ミウーソフ」としてはいい迷惑でしょうが、「フョードル」はどうも彼を攻撃するのが好きなようです。
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