「カテリーナ・イワーノヴナ」のところで「イワン」が語ったという「ラキーチン」の将来像の予言めいた発言を「ラキーチン」自身から聞いた「アリョーシャ」ですが、突然、こらえきれなくなって楽しそうに笑いながら、それはそっくりそのまま実現するかもしれないよ、最後の一言にいたるまで、と叫ぶように言いました。
「ラキーチン」は「君まで当てこする気かい、アレクセイ君」。
「アリョーシャ」は、いや、とんでもない、冗談だよ、ごめん、全然別のことを考えてたもんだから、と、そして、失礼だがそんな細かい点まで君に伝えられるような人はだれかな、兄さんが君のことを話していたとき、君自身が「カテリーナ・イワーノヴナ」のところにいたはずはないしね、と。
そうですね、ここまで詳しい話は「ラキーチン」が「カテリーナ・イワーノヴナ」から聞き出したとしか思えないです。
ところが、実際は予想外の人物でした。
「ラキーチン」は「僕はいなかった。その代り、ドミートリイがいたさ。」と、そして、この話は「ドミートリイ」から聞いたんだと、しかし、知りたきゃ教えるけど、と前置きして、「ドミートリイ」が僕に話したわけではなく、僕が「グルーシェニカ」の寝室にこもっていて、隣の部屋に「ドミートリイ」がいたので、出られずにいるときに彼が話したのを聞いたんだ、と。
なんと、複雑で疑問だらけの状況設定でしょう。
まず、「カテリーナ・イワーノヴナ」の家に「ドミートリイ」と「イワン」がいて、「イワン」がこの話を「ドミートリイ」と「カテリーナ・イワーノヴナ」にするわけです、そして、「グルーシェニカ」の家の寝室に「ラキーチン」が隠れていて、それを知らない「ドミートリイ」が「イワン」から聞いたこの話を「グルーシェニカ」にするわけです。
「ドミートリイ」が「カテリーナ・イワーノヴナ」の家にいるのも少し違和感があるのですが、そこに「イワン」もいるというのが不思議ですし、一番疑問なのは、「ラキーチン」が「グルーシェニカ」の家の寝室に隠れているということです、また、「ドミートリイ」が「グルーシェニカ」にこんな話をなぜしたのかも腑に落ちません。
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