2016年12月18日日曜日

262

「グルーシェニカ」が自分の親戚だと言われた「ラキーチン」はかんかんに怒るのですが、読者の疑問に思うところはすぐに、「アリョーシャ」が聞いてくれます。

「アリョーシャ」は「おねがいだから赦してくれたまえ、まるきり予想もしていなかったことだよ。それにどうしてあの人が売春婦なのさ?ほんとに・・・そんな人なの?」」と言ってから、ふいに赤くなりました、そして、「くどいようだけど、僕は親戚たって聞いたんだよ。君はあの人のところへよく出入りしているし、それに君自身、あの人と色恋の関係はないって言ってたから・・・君があの人をそんなに軽蔑してるとは、ついぞ考えてもみなかったよ!でも、ほんとうに軽蔑に値する人なのかい?」と。

こういう言い方だと「アリョーシャ」の本心がさっぱりわかりません。

「ラキーチン」は、自分が「グルーシェニカ」に家を訪ねるのはそれなりの理由があるからで、君の相手はもうたくさんだ、それに親戚ということになると、むしろ、君の兄さんなり親父さんなりがあの女を親戚にしてくれるだろうさ、僕じゃなく、君の親戚にね。」と。

そして、ふたりで歩きながら、食事の場所に着いたのです。

「ラキーチン」は続けます。

「さ、やっとついた。台所へ行くほうがいいぞ。あ!いったい何事だ、あれはどうしたんだ?」と、そして、僕らは遅れたのかな?しかし、こんなに早く食事が終るはずはないしな?、君の親父も「イワン」も院長のところからとびでてきた、カラマーゾフ家の連中が何かしでかしたかな?イシドル神父が表階段の上から、二人のうしろ姿に何かさけんでいるし、君の親父も叫んで手を振っているし、きっと悪態をついているんだぞ、あ、「ミウーソフ」まで馬車で逃げていった、地主の「マクシーモフ」も逃げてくる、これはひと騒ぎあったな、つまり食事はしなかったってわけだ、院長を殴ったんじゃあるまいな、それともやつらが殴られたかな?それなら当然の報いなんだけど!、と叫びました。

「ラキーチン」の叫びは本当のことでした。

かつてきいたこともないような、思いもかけぬ恥さらしな騒ぎが起ったのした。

それにしても「フョードル」は先に帰ったはずなのですが、また戻ってきたのですね。


そして、すべては《インスピレーションの産物》でしたと書かれていますが《インスピレーションの産物》って何のことでしょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿