結局、会食に招かれたのは、「イォシフ神父」「パイーシイ神父」ともうひとりの司祭修道士、「ミウーソフ」「カルガーノフ」「イワン」「マクシーモフ」の七人です。
「フョードル」は先に帰ってしまいましたし、「ラキーチン」は弱輩なので当然のことですが招かれませんでした。
「ミウーソフ」「カルガーノフ」「イワン」が修道院長の食堂に入っていったときには、神父たちはもう席についていましたし、脇の方にいた「マクシーモフ」は待ちくたびれた顔をしていました。
修道院長は客を迎えるために部屋の中央にすすみでました。
彼は、つまり、ニコライ神父は、長身で瘦せぎすではありましたが、まだまだ頑健な老人で、黒い髪にはおびただしい白髪がまじり、面長の、陰気臭い、いかめしい顔をしていました。
彼は無言のまま客たちと挨拶を交わしました、すると今回は客たちは祝福を受けるために彼に歩みよりました。
彼らは、特に「ミウーソフ」は自らの主義信条から儀礼的なことに反感をもっていたので「ゾシマ長老」と面会したときは、祝福をうけようとせずに、おじぎをしただけだったのですが、今回は思い直して祝福を受ける気になったのですね。
「ミウーソフ」は勇気を出して、修道院長の手に接吻しようとしましたが、彼は何かのタイミングで手をひっこめたので、接吻は行われませんでした。
その代り、「イワン」と「カルガーノフ」は、ごく素朴に庶民的に、音をたてて手に接吻し、今回は存分に祝福を受けました。
この三人の祝福を受ける状況描写は何か意味があるのかもしれませんが、わかりません。
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