「アリョーシャ」は「それにしても、ここにはだれもいないのに、どうして声をひそめたりすの?」と「ドミートリイ」に聞きました。
「どうして声をひそめるか、だって?ああ、そうだな、畜生」と「ドミートリイ」はふいに大声で叫びました。そして「そう、なんだって俺は声をひそめたりしてるんだろう?まったく、お前を見てのとおり、人間の本性なんてふいにわけのわからん混乱をひき起すもんだな。俺はね、ここに張りこんで、人の秘密を見張ってるんだ。説明はいずれするが、秘密ってことを承知してるもんで、急に口のきき方まで秘密めかしくなってきて、必要もないのに、ばかみたいに声をひそめたりするんだな。さ、行こう!こっちだ!それまでは沈黙だぞ。お前にキスしてやりたいよ!
この世の至高のこのに栄えあれ、
わが内部の至高のものに栄えあれ!
俺はたった今、お前がくるまで、ここに坐って、この文句をくりかえしていたところなんだ・・・」
「ドミートリイ」は、会いたいと思っていた「アリョーシャ」に偶然会えたのでかなり興奮気味ですね。
「ドミートリイ」が繰り返していたという「この世の至高のこのに栄えあれ、わが内部の至高のものに栄えあれ!」は自作の詩ですが、彼の心情をよくあらわしており、理想主義的な彼の志向性がよくわかりますね。
あとで書かれているのですが、彼のこのハイテンションは、酒のせいでもあるのです。
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