2017年7月12日水曜日

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「どなた!」

だれかが大きな、ことさら腹立たしげな声でどなりました。

そこで「アリョーシャ」はドアを開け、敷居を一歩またぎました。

中に入ってみると小屋は、かなり広かったとはいえ、人間だの、ありとあらゆる世帯道具だので、足の踏み場もないほどごたごたしていました。

左手には大きなロシア暖炉がありました。

ここでいう「ロシア暖炉」とはペチカのことですね。

その暖炉から左側の窓のところまで、部屋全体を横切って綱がかけ渡され、そこにさまざまなぼろが吊るしてありました。

左手には大きなロシア暖炉があってそこから左側の窓まで部屋全体を横切って、とうのがイメーイできません。

左右両側の壁に沿って、手編みの毛布をかけたベッドが置かれていました。

その一つ、左側のベッドに更紗の枕が四つ、大きいのから順に積みあげられて山を作っていました。

もう一つの、右側のベッドには、ひどく小さな枕が一つだけ見えました。

さらにその先の、正面の隅には、やはり斜めにかけ渡した綱にカーテンだかシーツだかを吊して仕切った、小さな場所がありました。

そのカーテンの奥にも、ベンチに椅子をつぎたして寝床が作られているのが、横の方からのぞけました。

百姓家で使うような質素な四角の木のテーブルが、正面の隅から中央の窓の方へずり動かされていました。

ここもイメージできません、テーブルの定位置というのがあるのでしょうか。

三つある窓はどれも、それぞれ四枚の小さな、かびの生えた緑色のガラスがはまっていましたが、ひどく曇っているうえ、固く閉ざされているので、部屋の中はかなり息苦しく、あまり明るくありませんでした。

テーブルの上には目玉焼の残りの入ったフライパンが置かれ、上の方だけかじったパンのかけらがころがり、そのうえ、現世の幸福(訳注 ウオトカ)が底の方に申しわけ程度残っている壜までありました。

まだ、続きますが一応ここまでが家の中の調度品などの様子です。


「現世の幸福」というウオッカはあるのでしょうか、調べましたがわかりませんでした。


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