「イワン」の会話の続きからです。
・・・・統一的な跪拝のために人間は剣で互いに滅ぼし合ってきたのだ。彼らは神を創りだし、互いによびかけた。《お前たちの神を棄てて、われわれの神を拝みにこい。さもないと、お前たちにも、お前たちの神にも、死を与えるぞ!》たぶん、世界の終りまでこんな有様だろうし、この世界から神が消え去るときでさえ、同じことだろう。どうせ人間どもは偶像の前にひれ伏すのだからな。お前は人間の本性のこの主要な秘密を知っていた。知らぬはずがない。それなのにお前は、すべての人間を文句なしにお前の前にひれ伏させるために提案された、地上のパンという唯一絶対の旗印をしりぞけてしまった。しかも、自由と天上のパンのためにしりぞけたのだ。そのあとお前が何をしでかしたか、よく見るといい! そして何もかもが、またしても自由のためになのだからな! お前に言ってくが、人間という不幸な生き物にとって、生まれたときから身にそなわっている自由という贈り物を少しでも早く譲り渡せるような相手を見つけることくらい、やりきれぬ苦労はないのだ。だが、人間の自由を支配するのは、人間の良心を安らかにしてやれる者だけだ。パンといっしょにお前には、明白な旗印が与えられることになっていた。・・・・
ここで会話を切ります。
今度は、宗教戦争のことが話されています。
そして、人間が神を創りだしたと言っています。
その人間と人間の創りだした神が、別の人間とその別の人間が創りだした神と「跪拝の統一性という欲求」のために戦うのです。
「この世界から神が消え去るときでさえ」というのは、宗教がなくなるとき、まさに今起きつつある革命の時のことなのでしょう、その時になっても人間は偶像崇拝をやめないのだと。
まさに、その通りに歴史は動いたと思います。
「人間の本性」は、支配者を求めるということが言われているのですね。
キリストはそのことを知っていながら、そしてどうすれば支配者になれるかその仕組みを知っていながら、「自由と天上のパンのためにしりぞけた」のです。
0 件のコメント:
コメントを投稿